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2012.11.10
私の初体験

どーもですぅ。おもしろでございます。
明日(もう今日ね)から始まります『タルコフスキー生誕80周年記念映画祭』!!!
私のタルコフスキーさん映画の初体験は、かれこれ26~7年前だと思われます。
大学の時、『惑星ソラリス』と『ストーカー』を彼女が一緒に行きたいと、私が誘われたのですが、
そんな楽しみにしていた彼女はよりによって当日、風邪で熱を出して見に行けなくなりました。
一人で行くのもなんだなぁーと寂しがり屋さんの私は難色をしめしていたところ、友人の
U山君が一緒に行ってくれると言うので、見に行くことにしました。
会場にはオシャレなダムタイプさん達も連れだって観に来てたのを覚えています。
二人とも何をしていたのかは忘れましたが、前日は徹夜で寝ていなかったので、
ソラリスが初体験なら確実にというか、他にもれず、始まったらすぐに爆睡してしまい、
エンディングに2人同時に目が覚めました。ご存知の通り、ソラリスのオープニングと
エンディングは同じシーンで、川面に揺れる水草みたいな映像です。起きたとき、
あれ?全然進んでないのかな?そんなに寝てないのかな?と思って2人顔を見合わせた
のを覚えています。(その後『惑星ソラリス』を最初から最後まで寝ずに見れたのは
あと2回見ないといけなかったということをここで告白しておきます。)
しかし次の『ストーカー』は先ほどぐっすりと寝ましたので、最初からちゃんと観れました。
元々彼女に無理矢理誘われたので、どちらかというと一人だったら見ていなかったと思い
ますが、これがあまりのかっこ良さにビックリしまして。
ゾーンに到着時の色がつくところでU山君と私は声を合わせたように「オー!」と
小さな声を上げてしまいました。
2人で、すっかりハマってしまい、帰りにゾーンごっこをしたのは言うまでもありません。
彼女んちに帰って、風邪の看病をしながら『ストーカー』の凄さをコーフン気味で話して
彼女に怒られた青春の一日でした。ちょっと泣いてしまいそうです。
あら、映画の解説は全然してませんか、そうですか。
てなわけで!今回の生誕80周年映画祭、全作品(8本で全部)を元町映画館で上映
できることは涙が出るほど嬉しいです。
ま、上記の理由ではないですが、タルコフスキーさんの映画で私が一番好きなのは
やはり『ストーカー』です。この作品はタルコフスキーさんの映画の中でも、一番
かっちょイイ映画であると思います。どのシーンを切り取ってもかっちょイイ。
若い美術をしている人や、デザイナーや、建築家の方は全員『ストーカー』を必ず観た
方が良いと思います。
私が思うに、タルコフスキーさんの映画はアンゲロプロスさんと違って理解出来なくて
も良いと思います。いや、考えないという事ではありません。当時のソ連の核や、芸術、
宗教、家族、亡命など、考えるべき事はどの作品も満載なのですが、ご本人もわざと
わかり難くしているというような事をおっしゃっていました。
なので“感覚”で観るのが一番良いのではあるまいかと私は思います。
例えば『ノスタルジア』は長回しに喰い付くより、壁が無い家なのにわざわざ玄関から
入るという、吉本新喜劇的で可愛いわね。とか、そんな見方で良いのではないでしょうか。
あら、ちょっと乱暴ですか、そうですか。
今回の全作品上映のメリットは初期の映画から観て行くことが出来るということで、
いろいろと変遷を実感できます。これはアンゲロプロスさんの時でもそうでした。
『アンドレイ・ルブリョフ』はシネスコの大スペクタクルの大作です。
『僕の村は戦場だった』からのコレですから、気合い入りまくりの3時間で、
エキストラも大々的に使って大作を作ろうとして大作を作った感がありますよね。
一度大作を作りたかったのでしょうね。出来た時の、どや顔が浮かびます。
『ストーカー』の延々と続く川の中のゴミたちや、水の使い方などは
『アンドレイ・ルブリョフ』でもうすでにその片鱗が伺えます。
この作品はあまり上映の機会がないので、フィルムで観れるのは貴重ではないかなと思います。
『鏡』は一番私的な作品で「おかあさん」の思い出を大人になって考えたような作品です。
タルコフスキーさんお得意の、水、火、風といったアイテムの使い方の方向性が見えて
来た作品ですね。そしてそれは『ストーカー』へと昇華します。
『ノスタルジア』『サクリファイス』ではもう円熟味が出ており、安心して
タルコフスキー節を堪能できます。
今回も試写をしてみていろいろと新しい発見がありました。
皆さんも改めてご覧になったらまたいろいろと思う事があると思います。
名作を見る事は人生においてとても大切な事だと思います。
みんなで映画を楽しみましょう。家で一人でDVDはダメよ。
会社を休んででも、嫁を質に入れてでも観に来て下さいね。
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