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2013.09.21
モトマチセレクション

どうも。突然ですが、今日は重大(でもないか)発表。
もうご存知の方もおられますが、わたくし8月末をもちまして支配人を降りました。
理由は、まあ諸般の事情ということで。お茶を濁しときます。
9月1日からは、支配人は林未来さんに代わっております。
支配人が代わっても、皆さん元町映画館の応援よろしくお願いいたします。
で、私の奮闘も終わりましたので、このブログもそろそろ閉じようと思います。
まあ、急なので、最期に3回に渡って、モトマチセレクションをまとめて終わります。
“今、スクリーンで観たい映画”を元町映画館独自の視点で選ぶ、
新旧洋邦、ジャンルも問わずの不定期企画、
それが「モトマチセレクション」です。
現在まで、22回のモトマチセレクションを開催しました。
まとめましたので、
以下のフォーマットで表記しています。
①上映期間
②サブタイトル
③タイトル
④上映作品
Vol.1
①1/15~2/4
③スタッフが選んだ2010年ベスト作品
④『息もできない』
開館当初から、通常上映(所謂全国順次公開作)以外の旧作も上映したいと思っていたので、
どうやってスキマを作って上映するか。と考えている間に「元町だけの上映を強調する」
名前を付けてしまって、通常は回っていないが、元町映画館が今、皆さんに特に観てもらい
たい作品。を上映するために「モトマチセレクション」は企画されました。
第一回目は、年間ベストテンをしたいが、10本する枠が無いので、1本だけ上映ということ
になり、そうだこれをモトセレにしてしまえ。という事で、始まりました。
『息もできない』はモトセレに決めた後、キネ旬でクリントイーストウッドを抜いて、
外国語映画賞の1位に選ばれたのも幸いし、当館でも盛況でした。
モトマチセレクション、幸先の良いスタートとなりました。
当時のブログはこちら→★
控えめの紹介ですね。ちょっと自分でもビビっていたのではないかなと思います。
Vol.2
①3/19~4/1
③戦争を知ろう。戦争を考えよう。
④『緑の海平線 ~台湾少年工の物語~』
配給会社もなく自主上映のかたちで、関東でひっそりと上映をしていただけの本作は、
何かの本で解説を観て、台湾好きの私は個人的に上映したいと思っていました。
あまりよそで上映していないこともあり、モトセレにしました。台湾の少年たちが
日本に戦闘機を作る工場に出稼ぎに来て、終戦を迎えた後も、台湾に帰るもの、中国へ
行くもの、そして日本に残るもの、と全く違ったその後の激動の時代を生きて来た時代
を描いた作品でした。監督が台湾から舞台挨拶に来られたり、実際に少年工だった
長田で中華料理店を営む、陳栄和さんにもお会いして、その後の人生のお話を聴いたりと、
とても感動したモトセレになりました。モトセレを作って本当に良かったと思いました。
この作品はブログにもちゃんと書いています。こちら→★
この中に私が書いていた文章「終戦時の感情はどうだったのでしょうか?
自分は日本人だと思っているので、戦争に「負けた」と思ったのでしょうか?
次の瞬間には戦勝国側に立っていたのでしょうか?」
に対する答えは『台湾アイデンティティー』に少しあるように思います。
Vol.3
①4/30~5/6
③元町が俺を呼んでるぜ!
④『赤い波止場』『麻薬3号』『街に・映画館を・造る』
ゴールデンウィークに何か特集をしよう。ということになり、開館前に斜め向いの
服屋さんが『麻薬3号』を上映して欲しいと「小さい時に、家の前で映画(麻薬3号)の
撮影をしていた。ビデオにもなっていないので見れない」と言うので、追跡調査をしました。
すると昭和33年の作品で、日活の作品で長門裕之さん主演でフィルムも現存していたので、
いつか上映しようと思っていました。
ということで、裕次郎さんのこれまた同じ年に元町界隈で撮影された『赤い波止場』と
そして、当館のメイキングとして木村卓司監督にお願いしていた作品も出来上がったという
ことで、3本で、タイトルを(タイトルはだいたい私が考えるのですが)ハードボイルドっぽく
「元町が俺を呼んでるぜ」にしてモトセレで上映しました。
『麻薬3号』の上映で特筆すべきは、三宮高架下の茶房ジャヴァが映画に出て来ます。
それで、ジャヴァさんにご挨拶に行ったら、親子三代でめちゃめちゃ喜んで下さいまして、
全員で観にこられ、おかみさんは何と、5日間も通って下さいました。
とっても懐かしかったんでしょうね。死ぬまでに見れないと思っていたそうです。
こんなに喜んで下さってモトセレの甲斐もあったということですね。
その時のブログ記事はこちら→★と★と★
Vol.4
①6/4~6/17
③原発の「安全神話」を考える。
④『ナージャの村』『祝の島』
東北の震災から3ヶ月。他の映画館に比べ、元町映画館は所謂「震災もん」の映画の
上映を避けて来ました。それは気持ちの整理が出来ていないうちに、報道ではない
映画館がほいほいと軽く上映すべきではないと私が思ったからです。
(ちなみに私も神戸の震災では全壊した家の下敷きになりました)
しかし、原発となれば話は別です。これは天災ではなく、明らかに人災であります。
『祝の島』の初日には小出裕章先生の舞台挨拶もあり、朝から長蛇の列でした。
連日テレビに引っ張りだこの小出先生をお呼びできたのは、実は上映とご講演は震災前
に決めていたのでした。
この企画は市民社会フォーラムの主催で『祝の島』上映に、元町映画館が『ナージャの村』
をカップリングにして、モトセレにしました。
震災がなければ、こういった映画は一桁しかお客さんが入りません。
小出先生が来られても、普通なら、満員になったかどうかわかりません。
この時のブログはとっても良い話(自画自賛)なので、是非お読み下さい。こちら→★
Vol.5
①8/20~8/26
②元町映画館1周年記念!
③支配人の映画人生を変えた監督、ビクトル・エリセ。
④『ミツバチのささやき』『エル・スール』
こちらは1周年記念モトセレです。1周年記念に何を上映するか迷いました。
で、今回は一生に一度で良いから、ビクトル・エリセを上映したいと思っていた、
私のワガママで上映決定してしまいました。タイトルを見てもらったらわかる通り
「私の人生を変えた監督」の作品ですから。まあ、本当にこれで思い残す事もありません。
チラシには、あのバウシリーズにモトマチセレクションのロゴが入るのですから。
支配人辞めるのは今ではなくこの時に辞めるべきでした。
この想いはこの時にもブログで書きました。こちらへ→★と★
Vol.6
①9/17~9/30
③パレスチナの現在(いま)・・・
④『いのちの子ども』『ピンク・スバル』『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』
こちらはパレスチナについての3本の上映依頼が来たので、モトセレにして、特集を組もう
と思いました。そしてパレスチナ問題を多角的に考えるため、『いのちの子ども』では
医療関係者から、『ぼくたちは見た』ではジャーナリスト、そして『ピンク・スバル』では
アラブ文学研究の京大教授を、それに小川和也監督、古居みずえ監督と、3週間に渡り、
総勢7名の著名人にトークをして頂きました。
全部に参加した方は、パレスチナを多角的に見れたのではないかと自負しております。
特に、岡真理さんに(コメディである)『ピンク・スバル』が入っているところが良い企画
ですねとお褒めのお言葉を頂いた事は嬉しかったです。
しかし、この事は、当時のブログには報告していなくて、ダメですね私。
2011年は以上です。
トップの画像をクリックすれば大きな画像がでてきます。
ま、こんな感じで、3回に渡って(1回に1年分)モトマチセレクションのまとめをして
ブログを締めくくろうかと思っております。次回第二回は2012年のモトセレです。
来週ぐらいにはアップします。
よろしくどーぞ。
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